SESと自社開発の違い|未経験から選ぶべきはどっち?キャリア戦略まで徹底解説

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結論|未経験からIT業界に入るなら、まずSESで実務経験を積むのが現実的なルート

「SESと自社開発って何が違うの?」「未経験からエンジニアを目指すなら、どっちに入ればいいの?」と悩んでいる方に向けて結論からお伝えします。未経験からIT業界に入る場合、まずSES企業で1〜2年の実務経験を積み、そこからスキルを武器に自社開発企業へキャリアアップするのが最も現実的かつ成功率の高いルートです。

この記事では、SESと自社開発の仕組み・働き方の違いを基礎から整理したうえで、受託開発(SIer)も含めた3形態の比較、未経験者がそれぞれに入社できる難易度、SESから自社開発へステップアップする具体的なキャリア戦略までを網羅的に解説します。フリーター・既卒・第二新卒の方がIT転職で後悔しないための判断材料をすべてまとめました。

そもそもSESとは?仕組みと働き方をわかりやすく解説

SES(System Engineering Service)とは、エンジニアの技術力をクライアント企業に提供する契約形態です。SES企業に正社員として雇用されながら、クライアント先のオフィスに常駐して開発や運用の業務を行います。

ポイントは「指揮命令権」の所在です。SES契約(準委任契約)では、作業の指示はSES企業側が行い、クライアントが直接エンジニアに命令することはできません。この点が派遣契約との大きな違いです。

項目SES(準委任契約)派遣
雇用元SES企業派遣会社
指揮命令権SES企業(自社)派遣先企業
成果物責任なし(労働時間で精算)なし
契約期間案件単位(3〜6か月が多い)最長3年

自社開発とは?仕組みと働き方の特徴

自社開発とは、自社で企画・設計・開発・運用までを一貫して行うビジネスモデルです。BtoCのWebサービスやスマホアプリ、BtoB向けのSaaSプロダクトなど、自社ブランドのサービスを世に出しているのが自社開発企業の特徴です。

エンジニアは自社のオフィスで働き、同じプロダクトに長期間関わります。企画段階から意見を出せる環境が多く、ユーザーの反応を直接見ながら改善サイクルを回せる点がやりがいにつながります。一方で、採用のハードルが高く、実務未経験からの入社は難易度が高いのが現実です。

SESと自社開発の違いを7つの観点で徹底比較

SESと自社開発は「どちらが良い・悪い」ではなく、働き方やキャリアの方向性が大きく異なります。以下の7つの観点で違いを整理しました。

比較項目SES自社開発
勤務場所クライアント先に常駐自社オフィス(リモート可の企業も多い)
関わるプロジェクト案件ごとに変わる(3〜6か月単位)自社プロダクトに長期間関わる
スキルの幅複数の現場で幅広い経験が積める特定の技術スタックを深掘りできる
裁量・企画参加指示された業務が中心企画・設計から関われる機会が多い
年収水準(目安)300万〜450万円400万〜700万円
帰属意識常駐先が変わるため薄くなりがちチームの一員としての一体感がある
未経験からの入社難易度低い(研修制度ありの企業も多い)高い(実務経験・ポートフォリオが必要)

受託開発(SIer)も含めた3形態の違いを一覧で比較

IT業界の働き方を理解するうえで、SESと自社開発に加えて「受託開発(SIer)」も押さえておくと選択肢の全体像がつかめます。

比較項目SES受託開発(SIer)自社開発
ビジネスモデルエンジニアの技術力を提供クライアントの依頼でシステムを開発自社サービスを企画〜運用
勤務場所クライアント先自社 or クライアント先自社オフィス
納期プレッシャー低い(時間精算のため)高い(納品責任あり)中程度(自社で調整可能)
上流工程への関与少ない多い(要件定義・設計)多い(企画から参画)
技術の新しさ案件による保守的(レガシー技術が多い)比較的モダン
未経験の入りやすさ入りやすい中程度入りにくい

未経験からIT業界に入る場合、最も門戸が広いのはSESです。受託開発は研修制度が充実した大手SIerであれば未経験可の求人もありますが、中小の受託企業は即戦力を求める傾向があります。

SESで働くメリット・デメリット|未経験者が知るべきリアル

SESのメリット

  • 未経験でも入社しやすい:研修制度を設けているSES企業は多く、プログラミング未経験でも応募可能な求人が豊富です。
  • 複数の現場で経験を積める:案件が変わるたびに異なる業界・技術に触れられるため、短期間でスキルの幅を広げやすい環境です。
  • 残業が比較的少ない:SES契約は労働時間で精算されるため、長時間残業が発生しにくい構造です。

SESのデメリット

  • 年収が低めになりやすい:クライアントが支払う単価からSES企業のマージンが引かれるため、エンジニアの手取りが抑えられがちです。
  • 上流工程に関わりにくい:要件定義や設計はクライアント側が行うことが多く、SESエンジニアはコーディングやテストが中心になるケースがあります。
  • 環境が安定しない:案件の終了や契約更新のたびに勤務先が変わるため、人間関係をゼロから構築する負担があります。

自社開発で働くメリット・デメリット|未経験者にとっての現実

自社開発のメリット

  • 企画段階から関われる:プロダクトの方向性に意見を出せる環境が多く、「作るだけ」ではないやりがいがあります。
  • 専門性の高いスキルが身につく:同じプロダクトに長期間関わるため、特定の技術スタックを深く掘り下げられます。
  • チームの一体感がある:同じ目標に向かって継続的に協力するため、帰属意識やチームワークが育ちやすい環境です。

自社開発のデメリット

  • 未経験からの入社は非常に難しい:人気企業は応募倍率が高く、実務経験やポートフォリオが必須です。
  • 技術スタックが固定化しやすい:長期間同じプロダクトに関わると、他の技術に触れる機会が限られます。
  • 企業ごとの待遇差が大きい:成長中のスタートアップは年収が低めだったり、労働時間が長くなるケースもあります。

未経験からの入社難易度|SES・受託・自社開発を比較

フリーター・既卒・第二新卒の方がIT業界を目指す場合、入社難易度の違いを正確に理解しておくことが重要です。

企業タイプ入社難易度未経験者に求められるもの入社後の年収目安
SES企業★☆☆☆☆(低い)学習意欲・基本的なITリテラシー280万〜350万円
受託開発(中小SIer)★★☆☆☆(やや低い)基本情報技術者試験レベルの知識300万〜400万円
受託開発(大手SIer)★★★☆☆(中程度)大卒以上・新卒採用中心350万〜450万円
自社開発(スタートアップ)★★★★☆(高い)ポートフォリオ・実務経験1年以上350万〜500万円
自社開発(大手・メガベンチャー)★★★★★(非常に高い)実務経験3年以上・高い技術力500万〜800万円

未経験者にとって最も現実的な入り口はSES企業です。「SESは避けるべき」という情報もネット上にはありますが、実務経験ゼロの状態で自社開発企業に入ることは極めて難しいのが実態です。SESで1〜2年の実務経験を積み、そこからキャリアアップする戦略が王道です。

SESから自社開発へ|未経験者のための5ステップキャリア戦略

「最終的には自社開発企業で働きたい」という方のために、SESを起点としたキャリアアップの具体的なロードマップを紹介します。

ステップ1:研修充実のSES企業に入社する(0〜3か月)

まずは未経験OKかつ研修制度が整ったSES企業を選びましょう。入社後の研修でプログラミングの基礎、ネットワーク、データベースなどの土台を作ります。研修期間中も給与が支払われるため、学びながら収入を得られるのがSESの大きなメリットです。

ステップ2:案件で実務経験を積む(3か月〜1年半)

研修後はクライアント先にアサインされ、実際のプロジェクトに参画します。最初はテストや運用保守が中心になることが多いですが、積極的にコードレビューを依頼したり、自主的に改善提案を行うことでスキルアップのスピードが上がります。

ステップ3:ポートフォリオを作成する(1年〜1年半)

実務と並行して個人開発でポートフォリオを作成します。自社開発企業の選考では「何を作ったか」が重視されるため、実務で使った技術を活かしたWebアプリやサービスを1〜2つ完成させましょう。GitHubでソースコードを公開し、READMEに技術選定の理由や工夫した点を記載しておくと評価が高まります。

ステップ4:転職活動を開始する(1年半〜2年)

SESでの実務経験が1年半〜2年になったタイミングが転職の好機です。この段階で「実務経験あり」として自社開発企業に応募できるようになります。転職エージェントの活用やWantedlyなどのカジュアル面談を通じて、自分のスキルにマッチした企業を探しましょう。

ステップ5:自社開発企業で専門性を高める(2年〜)

自社開発企業に転職した後は、プロダクトの成長に貢献しながら専門性を深めていきます。上流工程への参画やチームリードの経験を積むことで、年収500万〜700万円以上のレンジに到達できるようになります。

ステップ時期の目安やるべきこと到達年収の目安
1. SES入社・研修0〜3か月研修でプログラミング・IT基礎を習得280万〜320万円
2. 実務経験を積む3か月〜1年半案件でコーディング・テスト経験を蓄積300万〜380万円
3. ポートフォリオ作成1年〜1年半個人開発でWebアプリを1〜2つ完成
4. 自社開発へ転職1年半〜2年転職活動・カジュアル面談400万〜500万円
5. 専門性を深める2年〜上流工程・チームリード経験500万〜700万円

失敗しないSES企業の選び方|ブラック企業を避ける5つのチェックポイント

SESを起点にキャリアを築くうえで最も重要なのが「どのSES企業に入るか」です。SES業界にはホワイト企業もブラック企業も存在するため、入社前に以下のポイントを確認しましょう。

チェックポイントホワイトSES企業の特徴注意すべきSES企業の特徴
研修制度入社後1〜3か月の研修プログラムあり研修なしでいきなり現場に投入
案件選択権エンジニアが案件を選べる or 希望を出せる会社が一方的にアサインを決める
マージン率公開している or 40%以下非公開かつ高マージン(50%超)
評価制度スキルや成果に基づく昇給制度がある何年働いても年収がほとんど上がらない
キャリア支援資格取得支援や定期的な面談がある放置されて自分で全部やるしかない

面接時に「案件選択権はありますか?」「マージン率は公開されていますか?」と質問してみましょう。答えを濁す企業は避けるのが無難です。

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よくある質問(FAQ)

Q. SESと自社開発、未経験ならどっちを選ぶべきですか?

A. 未経験の場合は、まずSES企業で実務経験を積むことをおすすめします。自社開発企業は即戦力を求める傾向が強く、実務未経験での入社は非常にハードルが高いためです。SESで1〜2年の経験を積んでから自社開発に転職するのが現実的なルートです。

Q. 「SESはやめとけ」と言われるのはなぜですか?

A. 年収が低め、常駐先が変わる不安定さ、上流工程に関わりにくいといったデメリットが理由です。ただし、これはSES業界全体の話ではなく、企業選びを間違えた場合のリスクです。研修制度や案件選択権が充実したSES企業を選べば、キャリアの良いスタート地点になります。

Q. SESから自社開発への転職は実際に可能ですか?

A. はい、十分に可能です。SESで1年半〜2年の実務経験を積み、個人開発でポートフォリオを作成すれば、自社開発企業の選考に応募できる水準に達します。IT業界は転職が一般的な業界なので、SES→自社開発というキャリアパスは珍しくありません。

Q. SESの年収はどのくらいですか?

A. 未経験入社の場合、初年度は280万〜350万円が相場です。経験を積んで単価が上がれば400万〜450万円程度まで上がりますが、自社開発企業に比べると年収の上限は低めです。年収アップを目指すなら、SESで経験を積んだ後に自社開発企業や受託企業へ転職するのが効果的です。

Q. 受託開発(SIer)とSESはどう違いますか?

A. 受託開発はクライアントからシステム開発を請け負い、成果物を納品するビジネスモデルです。SESはエンジニアの労働力を時間単位で提供する契約形態で、成果物の責任は負いません。受託開発は要件定義や設計などの上流工程に関わる機会が多い一方、納期のプレッシャーが大きいのが特徴です。

Q. フリーターからSES企業に入社できますか?

A. はい、入社できます。SES企業は未経験者の採用に積極的で、フリーターや既卒からの応募も受け付けている企業が多くあります。学歴よりも学習意欲やコミュニケーション能力が重視される傾向にあるため、プログラミングの基礎学習やIT系の資格取得(ITパスポートなど)を始めておくとアピール材料になります。

Q. 自社開発企業はすべてホワイト企業ですか?

A. いいえ、自社開発だからといってホワイト企業とは限りません。スタートアップでは人手不足から長時間労働になるケースや、資金繰りが厳しい企業では年収が低いケースもあります。「自社開発=勝ち組」というイメージだけで判断せず、労働条件や企業の成長フェーズを確認することが大切です。

まとめ

SESと自社開発は「どちらが上か」ではなく、キャリアのステージによって最適な選択肢が変わるものです。未経験からIT業界を目指すなら、まずSESで実務経験を積み、スキルとポートフォリオを武器に自社開発企業へのキャリアアップを目指すのが最も確実なルートです。

大切なのは、SESを「ゴール」ではなく「キャリアのスタート地点」と捉えること。1〜2年の計画を持って経験を積めば、自社開発企業への転職は十分に実現できます。

「自分に合ったSES企業の選び方がわからない」「未経験からのキャリアプランを相談したい」という方は、IT業界への転職支援実績が豊富なビーシャインの無料相談をぜひご活用ください。あなたの状況に合った最適なキャリアルートを一緒に考えます。

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