SESを辞めたいと感じたら?20代向け判断基準ガイド|5タイプ別診断・辞めるべきケース・次のキャリア選択肢・円満退職の手順を徹底解説

「SESを辞めたい20代へ、5タイプ診断と次のキャリア」と書かれた黒板の前で解説する男性のイラスト 職種・仕事ガイド

「SES辞めたい」は甘えじゃない──20代のうちに正しく判断するための5つの基準

SESを辞めたいけど、今辞めていいのか判断がつかない? 結論から言えば、SESを辞めたいと感じる理由は5つのタイプに分類でき、タイプごとに「辞めるべきか・残って改善できるか」の判断基準が異なります。20代のうちに正しく見極めることが、キャリアの分岐点になります。

この記事では、SESを辞めたいと感じる理由を5タイプに分類した診断表、辞めるべきケースと残った方がよいケース、辞めるベストタイミング(半年・新卒でもありか)、SES卒業後のキャリア選択肢比較、円満退職の具体的な手順と退職理由の伝え方までを徹底解説します。未経験からSESに入った20代の方が「次にどう動くべきか」を判断できる内容です。

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そもそもSESとは?辞めたいと感じる人が多い構造的な理由

SES(システムエンジニアリングサービス)とは、自社のエンジニアをクライアント企業に常駐させて技術力を提供する契約形態です。エンジニアはクライアント先で働きますが、雇用関係はSES企業との間にあります。

SESで「辞めたい」と感じる人が多い背景には、この構造自体に原因があります。自分の評価を決めるのは自社の上司ですが、日々の業務指示を出すのはクライアント先の担当者です。この「評価者と指示者のねじれ」によって、がんばっても正当に評価されにくい、キャリアの方向性を自分でコントロールしづらいという不満が生まれやすいのです。

また、プロジェクトが変わるたびに職場環境がリセットされるため、人間関係を一から構築する負担も大きくなります。これらはSES個人の問題ではなく、ビジネスモデルに起因する構造的な課題です。だからこそ、「辞めたい」と感じること自体は甘えではありません。

「SES辞めたい」5タイプ分類と判断基準

SESを辞めたいと感じる理由は人それぞれですが、大きく5つのタイプに分類できます。自分がどのタイプに該当するかを把握することが、正しい判断の第一歩です。

「SESを辞めたい」理由を5タイプに分類し、それぞれの判断基準(残って改善か・転職か)を整理した診断表。
タイプ辞めたい理由判断基準
スキル停滞型テストや運用保守ばかりでスキルが身につかない自社に案件変更を相談済みか?改善の見込みがなければ転職推奨
年収不満型年収が低い・昇給の見込みがない自社の評価制度と昇給実績を確認。同年代の市場年収と乖離が大きければ転職推奨
環境ストレス型客先常駐の人間関係や職場環境がつらい現場変更で改善できるか確認。複数現場で同じ悩みなら環境を根本的に変えることを検討
キャリア迷子型この先どうなるのか将来が見えない自社にキャリアパスの相談ができるか確認。ロールモデルがいなければ外部に目を向ける
心身限界型メンタルや体調に不調が出ている健康が最優先。心身に不調があるなら退職を最優先で検討

特に「心身限界型」に該当する場合は、迷わず退職を検討してください。健康を損なってからでは回復に時間がかかり、転職活動すら困難になります。それ以外の4タイプは、まず自社に改善を相談し、改善の見込みがなければ転職に踏み切るという順序がおすすめです。

SESを辞めるべきケース・残った方がよいケース

「辞めたい」と感じてもすぐに退職するのではなく、辞めるべきケースと残った方がよいケースを冷静に見極めることが大切です。

辞めるべきケース

以下のいずれかに該当する場合は、転職を前向きに検討してよいでしょう。まず、1年以上同じ状況で改善の見込みがないケースです。自社に相談しても案件変更や待遇改善がなされない場合、今後も変わる可能性は低いと判断できます。次に、スキルが身につかない案件に長期間アサインされているケースです。20代のうちに実務経験を積めないまま時間が過ぎると、市場価値が下がり、転職そのものが難しくなります。また、心身に不調が出ているケースは即座に退職を検討すべきです。「もう少し頑張れる」と無理を続けると、回復に長い時間がかかります。

残った方がよいケース

一方、以下に該当する場合はもう少し様子を見てもよいかもしれません。入社して半年未満で、まだ自社への相談をしていない場合は、まず上司や営業担当に現状を伝えてみましょう。案件変更だけで状況が大きく改善することもあります。また、現在の案件で開発経験を積めている場合は、その経験が転職時の武器になります。最低でも1つのプロジェクトを完遂してから転職した方が、職務経歴書に書ける実績が増えます。

SESを辞めるベストタイミング|半年・新卒でもあり?

「いつ辞めるのがベストか」も重要な判断ポイントです。円満かつ次のキャリアに有利なタイミングは、次の3つです。

  • 担当案件(プロジェクト)の終了時:引き継ぎ負担が最も小さく、円満に辞めやすい
  • 契約更新の区切り:自社・クライアント双方への影響が少なく、退職交渉がスムーズ
  • 心身の限界を感じたとき:この場合はタイミングにこだわらず、健康を最優先に早めに動く

半年・新卒でSESを辞めるのはあり?

「入社半年」「新卒1年目」で辞めることに不安を感じる人は多いですが、20代前半なら第二新卒・ポテンシャル採用の対象になるため、早期退職が致命的な不利になることは少ないです。ただし、短期離職には「またすぐ辞めるのでは」と見られるデメリットもあるため、次の点を押さえましょう。

  • 「なぜ辞めるのか」を、環境要因+次に実現したいことで前向きに説明できるようにする
  • 短期間でも案件で得た学び・スキルを具体的に言語化する
  • 心身に不調がある場合は、期間にこだわらず早めに離れる(健康が最優先)

逆に「ただ何となく合わない」程度で、案件変更などの改善余地を試していない場合は、まず自社に相談してからでも遅くありません。

SES卒業後のキャリア選択肢比較

SESを辞めた後のキャリアにはいくつかの選択肢があります。それぞれの特徴を比較して、自分に合った進路を選びましょう。

SES卒業後の主なキャリア選択肢(自社開発・社内SE・受託開発・IT以外・優良SES)の特徴と向いている人を比較した表。
キャリア選択肢特徴向いている人
自社開発企業自社のプロダクトを開発する。技術力が求められるが、裁量が大きくスキルアップしやすいプログラミングが好きでスキルを伸ばしたい人
社内SE企業の情報システム部門で社内のIT環境を管理。働き方が安定しやすいワークライフバランスを重視したい人
受託開発企業クライアントのシステムを受注して開発。多様なプロジェクトに関われるさまざまな業界のシステムに触れたい人
IT以外の業界へ転職IT経験を活かして営業職やコンサル職など別業界に挑戦エンジニアを続けることに迷いがある人
優良SES企業へ転職エンジニアの希望を尊重し、案件選択権のあるSES企業に移るSESの働き方自体は嫌いではないが、今の会社に不満がある人

20代でSESの経験が1〜2年ある場合、自社開発企業や社内SEへの転職は十分に現実的です。一方、プログラミング経験がほとんどない場合は、IT以外の業界への転職も選択肢に入れておくとよいでしょう。「SESから転職できるか不安」という方は、関連記事「SESから転職できないは嘘?20代が陥る3つの壁と突破法」もあわせて参考にしてください。大切なのは「SESを辞めること」がゴールではなく、「次のキャリアで何を実現したいか」を明確にすることです。

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円満退職のタイムラインと手順

SESの退職は、通常の企業とは少し手順が異なります。クライアントとの契約期間があるため、タイミングを間違えるとトラブルになりかねません。以下のタイムラインを参考にしてください。

SESを円満退職するための時期別(2〜3か月前〜退職日)のやることと注意点をまとめたタイムライン表。
時期やること注意点
退職2〜3か月前自社の上司または営業担当に退職の意向を伝える最初に伝えるのは自社側。クライアントに先に言わないこと
退職1〜2か月前契約更新のタイミングに合わせて退職日を調整契約期間の区切りでの退職が理想。途中退職も法的には可能
退職1か月前引き継ぎ資料の作成・後任への共有を開始クライアントへの説明は自社の営業担当を通じて行う
退職2週間前退職届の提出・社内手続きの完了保険証・貸与物の返却リストを確認しておく
退職日クライアント先への挨拶・貸与物の返却感謝を伝えて円満に去ることが次のキャリアにもプラス

最も重要なのは「最初に自社の上司に伝える」ことです。クライアント先の担当者に先に退職の話をしてしまうと、自社との信頼関係が壊れ、退職交渉が難航するケースがあります。また、契約更新のタイミングに合わせて退職日を調整すると、双方にとって負担が少なくなります。

退職理由の前向きな伝え方(例)

退職理由は「不満」ではなく「次に実現したいこと」を中心に伝えます。たとえば「客先常駐で評価されにくい」という不満は、そのまま伝えるのではなく「一つのプロダクトに腰を据えて長期的に関わり、成果で評価される環境で成長したい」と前向きに変換します。自社への退職理由も、面接での志望動機も、この「前向きな言い換え」で一貫させると印象が良くなります。

有給消化・退職代行の注意点

有給休暇は労働者の権利なので、退職前に計画的に消化しましょう。現場との調整が必要なため、退職スケジュールに組み込んでおくとスムーズです。なお退職代行サービスもありますが、SESは自社・クライアントの三者関係があり、円満退職が次のキャリアにも影響するため、まずは自分で(または転職エージェント経由で)誠実に手続きを進めることをおすすめします。強引な引き止めなどで自力解決が難しい場合の最終手段と考えましょう。

SES退職時にやってはいけないNG行動4つ

  1. クライアント先に先に退職を伝える:第一報は必ず自社の上司・営業担当へ。契約上のトラブルを防ぐ
  2. プロジェクト途中で突然辞める:法的には2週間前告知で可能だが、業界は狭く悪い評判が転職先に影響することも
  3. 退職理由でSES企業やクライアントの悪口を言う:前向きな理由に変換して伝える
  4. 次を決めずに辞める:在職中に転職活動を進め、内定を得てから退職届を出すのが安全

SESからの転職を成功させるポイント

SESからの転職を成功させるには、SES特有の経歴をどうアピールするかがポイントです。

  • 案件ごとに身につけたスキルを棚卸しする:「どの現場で何の技術を使い、どんな成果を出したか」を整理すると、充実した職務経歴書が作れる
  • 「なぜSESを辞めるのか」を前向きに言語化する:「自社開発で深く関わりたい」「一つのチームで長期的に成長したい」など次にやりたいことを軸に
  • 転職エージェントを活用する:SES経験者を歓迎する企業を紹介してもらえる。20代・第二新卒向けのエージェントは経験の浅いSESエンジニアの支援にも対応

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よくある質問(FAQ)

Q. SESはいつ辞めるのがベストなタイミングですか?

A. 担当案件(プロジェクト)の終了時や契約更新の区切りがベストです。引き継ぎ負担が少なく円満に辞めやすいためです。ただし心身に不調がある場合はタイミングにこだわらず、健康を最優先に早めに動きましょう。

Q. SESは契約期間の途中でも辞められますか?

A. 法的には退職届を提出してから2週間後に退職が可能です。ただし、契約期間の区切りに合わせて退職する方がトラブルを避けやすく、円満退職につながります。まずは自社の上司に相談し、退職のタイミングを調整しましょう。

Q. SESの経験が1年未満(半年・新卒)でも転職できますか?

A. 転職は可能です。20代であればポテンシャル採用の枠があるため、経験年数よりも「これから何がしたいか」が重視されます。ただし、短い経験でも案件で得たスキルや学びを具体的に説明できるよう準備しておくことが大切です。

Q. SESを辞めた後にITエンジニア以外の仕事に就けますか?

A. 就けます。SESで培った論理的思考力やコミュニケーション力は、営業職やコンサルタント、カスタマーサクセスなど多くの職種で評価されます。IT以外の業界を視野に入れることで、転職の選択肢が広がります。

Q. SES企業が退職を引き留めてきた場合はどうすればいいですか?

A. 退職は労働者の権利であり、会社が引き留めることで退職を阻止することはできません。強引な引き留めに遭った場合は、退職届を内容証明郵便で送付する方法もあります。それでも解決しない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。

Q. SESから自社開発企業に転職するにはどのくらいのスキルが必要ですか?

A. 企業によって異なりますが、20代であればプログラミングの基礎力とチームでの開発経験があれば選考に進めるケースが多いです。SESでの経験に加えて、個人でポートフォリオを作成しておくと、選考でのアピール材料になります。

Q. 退職を伝えるのはクライアント先と自社、どちらが先ですか?

A. 必ず自社の上司または営業担当に先に伝えてください。雇用関係はSES企業との間にあるため、退職の手続きは自社側と進めます。クライアントへの報告は、自社の営業担当を通じて行うのが正しい手順です。

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まとめ

SESを辞めたいと感じるのは甘えではありません。SESの構造的な問題に起因するケースがほとんどであり、20代のうちに正しく判断して次のキャリアに進むことが大切です。

まずはこの記事の5タイプ診断で自分の「辞めたい理由」を言語化し、辞めるべきか残るべきかを冷静に判断してください。そして転職を決意したら、辞めるベストタイミングを見極め、SES卒業後のキャリア選択肢を比較し、円満退職の手順に沿って計画的に進めましょう。SESからの転職に不安がある方は関連記事「SESから転職できないは嘘?20代が陥る3つの壁と突破法」、20代の転職全般は「20代の転職おすすめ|未経験の職種・業界・進め方と失敗しないコツ」も参考にしてください。

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ビーシャイン編集部

この記事を書いた人ビーシャイン編集部

ビーシャインの記事制作・編集を行う編集チームです。転職・就職などキャリアに関する知識やノウハウ、未経験から転職を目指す方向けのコンテンツなど、読者にとって有益な情報をお届けします。

高橋 文明(株式会社クオンツ 代表取締役)

監修高橋 文明(株式会社クオンツ 代表取締役)プロフィール »

システム開発会社を15年以上経営し、20代未経験・第二新卒を累計140名採用・育成。首都圏の地域若者サポートステーションと連携し、若者の就業支援・IT教育にも従事。採用側と求職側の双方を見てきた立場から本記事を監修しています。

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