結論|未経験からインフラエンジニアへの転職は「正しい準備と企業選び」で十分に実現できる
「未経験からインフラエンジニアに転職できるの?」「何から始めればいいかわからない」と不安を感じている方に向けて結論からお伝えします。インフラエンジニアはIT職種の中でも未経験者の採用に最も積極的な職種のひとつであり、資格取得と企業選びを正しく行えば、フリーター・既卒・第二新卒からでも転職は十分に可能です。
この記事では、未経験からインフラエンジニアに転職できる理由、職種と仕事内容の基礎知識、転職準備から内定までの具体的なスケジュール、求人票の読み解き方、企業タイプ別の選び方、面接で聞かれる質問と回答例までを網羅的に解説します。20代で未経験からIT業界を目指す方に向けた実践的な転職ガイドです。
未経験でもインフラエンジニアに転職できる4つの理由
「未経験からエンジニアなんて無理」と思い込んでいる方は多いですが、インフラエンジニアには未経験者が参入しやすい明確な理由があります。
理由1:慢性的な人材不足が続いている
経済産業省の調査によると、IT人材の不足は2030年に最大79万人に達すると予測されています。特にインフラ領域は「目立たない裏方」というイメージから志望者が少なく、未経験者でも採用する企業が数多く存在します。
理由2:運用・監視からスタートできる段階的なキャリアパスがある
インフラエンジニアの仕事は運用・監視→保守→構築→設計と段階的にステップアップする構造になっています。最初の運用・監視業務は手順書に沿った作業が中心のため、高度な技術知識がなくても始められます。
理由3:体系的な資格制度があり、学習の道筋が明確
プログラマーのようにポートフォリオ(成果物)を求められることが少なく、LPIC/LinuCやCCNAといった資格で技術力を証明できます。資格は学習範囲が明確なため、独学でも計画的に取得を進められます。
理由4:学歴・経歴よりも「学ぶ姿勢」が評価される
未経験者の採用において、企業が最も重視するのは学歴や前職の経歴ではなく「技術への興味」と「学習を継続する姿勢」です。資格取得という行動で学習意欲を証明できれば、フリーターやニートからでも十分に採用されます。
インフラエンジニアの職種分類と仕事内容
「インフラエンジニア」と一括りにされがちですが、実際にはいくつかの専門領域に分かれています。未経験から転職する際は、自分がどの領域に進みたいかのイメージを持っておくと、企業選びや学習計画が立てやすくなります。
| 職種 | 主な担当領域 | 代表的な技術・ツール | 未経験からの入りやすさ |
|---|---|---|---|
| サーバーエンジニア | サーバーの設計・構築・運用。OS設定、ミドルウェア導入、パフォーマンス管理 | Linux、Windows Server、Apache、Nginx | ★★★(最も入りやすい) |
| ネットワークエンジニア | ネットワーク機器の設計・構築・運用。ルーティング、スイッチング、ファイアウォール設定 | Cisco、Juniper、TCP/IP、VLAN | ★★★(入りやすい) |
| クラウドエンジニア | クラウド環境(AWS・Azure・GCP)の設計・構築・運用 | AWS、Azure、Terraform、Docker | ★★(サーバー/NW経験後がベター) |
| データベースエンジニア | データベースの設計・構築・チューニング・バックアップ管理 | MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQL | ★★(基礎知識が必要) |
| セキュリティエンジニア | セキュリティポリシー策定、脆弱性診断、インシデント対応 | SIEM、WAF、IDS/IPS、暗号化技術 | ★(実務経験が求められる) |
未経験者が最初に目指すべきはサーバーエンジニアまたはネットワークエンジニアです。この2つは求人数が多く、研修制度が充実した企業も多いため、IT業界への入り口として最適です。
転職準備から内定までの具体的スケジュール|4か月ロードマップ
「いつから何を始めればいいの?」という疑問に答えるため、未経験からインフラエンジニアに転職するための4か月間のスケジュールを整理しました。仕事をしながらでも実行可能なプランです。
| 時期 | やるべきこと | 学習時間の目安 | 達成目標 |
|---|---|---|---|
| 1か月目(学習開始) | IT基礎知識のインプット。ネットワークとLinuxの基本を学ぶ。Ping-tに登録して問題演習を開始 | 平日1〜2時間、休日3〜4時間 | IPアドレス・サブネット・OSI参照モデルを説明できるようになる |
| 2か月目(資格学習) | LPIC/LinuCレベル1の試験範囲を集中学習。Linuxコマンドの実機操作も並行して行う | 平日1〜2時間、休日3〜4時間 | Ping-tの正答率80%以上を安定して出せる状態にする |
| 3か月目(資格取得+転職準備) | LPIC/LinuCレベル1の受験・取得。履歴書・職務経歴書の作成。転職エージェントへの登録 | 学習は継続しつつ、転職活動に時間を割く | 資格取得完了。応募書類が完成している状態 |
| 4か月目(応募・面接) | 求人への応募開始。面接対策。企業研究。並行してCCNAの学習を開始(入社後の武器にする) | 面接準備中心。空き時間でCCNA学習 | 複数社から内定を獲得し、比較検討して入社先を決定 |
スケジュールを前倒しできる人の条件
- 現在無職・フリーターで学習時間を多く確保できる方:1日4〜6時間の学習が可能なら、2か月目で資格取得→3か月目で内定も現実的
- PCの基本操作に慣れている方:事務職やPC作業の多い仕事を経験していれば、Linux学習の立ち上がりが早い
- すでにITパスポートや基本情報を持っている方:IT基礎知識のインプットが不要なため、すぐにLPIC学習に着手できる
未経験者が知るべき「インフラエンジニア求人票」の読み解き方
転職サイトでインフラエンジニアの求人を検索すると大量の求人が表示されますが、すべてが未経験者にとって良い求人というわけではありません。求人票のどこを見れば「良い求人」と「避けるべき求人」を見分けられるのかを解説します。
| 求人票の項目 | 良い求人のサイン | 注意が必要なサイン |
|---|---|---|
| 研修制度 | 「1〜3か月の座学+実機研修」と具体的な内容・期間が明記されている | 「OJTあり」「先輩がサポート」だけで具体的な内容がない |
| 配属先 | 「自社内勤務」「プライム案件中心」など配属先の傾向が明確 | 「プロジェクトにより異なる」だけで配属先が不透明 |
| 給与 | 月給25万円以上。昇給条件や年収モデルが具体的に記載されている | 「月給20万円〜」と下限が低く、昇給の仕組みが不明 |
| 年間休日 | 120日以上(完全週休2日+祝日+夏季年末年始に相当) | 110日未満。シフト制で「4週8休」のみの記載 |
| キャリアパス | 「運用→構築→設計」のステップアップ事例や年収モデルが記載 | キャリアパスの記載がまったくない。同じポジションの求人ばかり出している |
| 資格支援 | 受験費用全額負担+合格報奨金の金額が明記されている | 「資格支援あり」とだけ記載され、具体的な内容がない |
| 離職率・定着率 | 「定着率○%」「直近3年の離職率○%」と数字で公開している | 離職率や定着率に一切触れていない |
「未経験歓迎」「未経験OK」の本当の意味
求人でよく見かける「未経験歓迎」には、大きく分けて2つのパターンがあります。
- パターンA(良い求人):「未経験者を育てる」ことを前提に研修体制を整えている企業。研修カリキュラム、メンター制度、資格取得支援などが充実している
- パターンB(注意が必要):「人手が足りないので誰でもいい」という企業。研修がほぼなく、すぐに客先へ配属される。スキルが身につかず、キャリアが停滞するリスクがある
見分けるポイントは「研修内容の具体性」と「入社後のキャリアパス事例」です。面接で質問すれば、パターンAの企業は具体的に答えられますが、パターンBの企業は曖昧な回答しかできません。
企業タイプ別の特徴と選び方|SES・SIer・自社サービスの違い
インフラエンジニアが働く企業は大きく3つのタイプに分かれます。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の目標に合った企業タイプを選ぶことが転職成功の鍵です。
| 企業タイプ | 特徴 | メリット | デメリット | 未経験者へのおすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| SES(客先常駐型) | エンジニアを客先に派遣する形態。案件ごとに現場が変わる | さまざまな現場を経験できる。未経験歓迎の求人が多い | 商流が深いと年収が低い。配属先を選べないことがある | ★★★(入口として最適。ただし企業選びが重要) |
| SIer(受託開発型) | 顧客のシステムを受注して設計・構築する。プロジェクト単位で業務を行う | 上流工程を経験しやすい。比較的年収が高い | 未経験採用が少ない。プロジェクトの繁忙期は残業が増えることがある | ★★(経験者向けが多いが、一部は未経験採用あり) |
| 自社サービス企業 | 自社のWebサービスやアプリのインフラを担当する | 自社サービスの成長に直接貢献できる。技術選定の自由度が高い | 未経験採用はほぼない。即戦力が求められる | ★(将来の目標として設定するのが現実的) |
未経験者におすすめの「SES企業の正しい選び方」
SES企業は玉石混交のため、以下の3つの基準で選別することが重要です。
- 商流の浅さ:元請け(プライム)または2次請けまでの案件が中心の企業を選ぶ。3次請け・4次請けが中心の企業は避ける
- エンジニアの単価還元率:還元率70%以上を公開している企業は、エンジニアの待遇を重視している傾向がある
- 案件選択権の有無:エンジニア自身が案件を選べる制度がある企業は、キャリアをコントロールしやすい
未経験インフラエンジニアの面接対策|よく聞かれる質問と回答例
未経験からの転職面接では、技術力よりも「なぜインフラエンジニアを選んだのか」「学習意欲があるか」が問われます。よく聞かれる質問と、好印象を与える回答の方向性を紹介します。
| よくある質問 | 質問の意図 | 回答のポイント |
|---|---|---|
| なぜインフラエンジニアを志望したのですか? | 職種理解の深さと志望動機の本気度を確認 | 「なんとなくIT」ではなく、インフラエンジニアを選んだ具体的な理由を述べる。仕事内容への興味+自分の適性を結びつける |
| 現在どのような学習をしていますか? | 行動力と学習の継続性を確認 | 資格学習の進捗、使用している教材、学習時間を具体的に伝える。LPIC取得済みなら強力なアピール材料 |
| 前職(フリーター経験)で身につけたスキルは? | 過去の経験をどう活かせるかの自己分析力を確認 | コミュニケーション力、チームワーク、シフト勤務への慣れなど、インフラ業務に活かせるスキルに変換して伝える |
| 夜勤やシフト勤務は問題ありませんか? | 運用監視業務の勤務形態を受け入れられるかの確認 | 「問題ありません」だけでなく、「前職でシフト勤務の経験がある」など根拠を添えると説得力が増す |
| 5年後にどのようなエンジニアになりたいですか? | キャリアビジョンと成長意欲の確認 | 「運用→構築→設計とステップアップし、クラウド環境の設計ができるエンジニアになりたい」など工程を踏まえたビジョンを述べる |
面接でのNG回答パターン
以下のような回答は、採用担当者の印象を大きく下げるため注意が必要です。
- 「手に職をつけたいから」だけ:インフラエンジニアである必要性が伝わらない。「なぜ他のIT職種ではなくインフラなのか」を説明できるようにしておく
- 「リモートワークがしたいから」:未経験者は最初の1〜2年は出社が基本。入社時点でリモートを求めると、現実を理解していない印象を与える
- 「前職が嫌だったから」:ネガティブな退職理由ではなく、「インフラエンジニアで○○を実現したい」というポジティブな転職理由に変換する
転職前〜入社後に取得すべき資格ロードマップ
インフラエンジニアは資格がキャリアと年収に直結する職種です。転職前と入社後のそれぞれの段階で取得すべき資格を整理しました。
| 取得時期 | 資格名 | 難易度 | 学習期間 | 転職・キャリアへの効果 |
|---|---|---|---|---|
| 転職前(必須) | LPIC/LinuCレベル1 | ★★ | 2〜3か月 | Linux基礎力の証明。未経験転職で最もコスパが高く、書類選考通過率が大幅に上がる |
| 入社半年以内 | CCNA | ★★★ | 3〜4か月 | ネットワーク知識の体系的証明。構築案件へのアサインに有利。年収アップの材料になる |
| 入社1年以内 | AWS認定クラウドプラクティショナー | ★★ | 1〜2か月 | クラウド基礎知識の証明。クラウド案件への足がかりになる |
| 入社1〜2年 | AWS認定ソリューションアーキテクト(SAA) | ★★★★ | 3〜4か月 | クラウド設計力の証明。年収450〜550万円レンジへのステップアップに直結 |
資格学習のコツ
限られた時間で効率よく資格を取得するためのポイントを紹介します。
- 問題演習中心の学習:テキストを通読するより、Ping-tなどの問題演習サイトで実際に問題を解きながら覚える方が定着率が高い
- 実機操作を並行する:VirtualBoxでLinux仮想環境を構築し、学んだコマンドを実際に実行する。手を動かすことで理解が深まる
- 毎日の学習時間を固定する:「平日は朝30分+夜1時間」のように習慣化すれば、無理なく2〜3か月で資格取得レベルに到達できる
入社後に後悔しないための心構えと注意点
転職がゴールではなく、入社後にどう行動するかで将来のキャリアが決まります。未経験からインフラエンジニアとして入社した後に意識すべきポイントを紹介します。
最初の1年は「運用監視が退屈」と感じても耐える
未経験者は運用監視業務からスタートするのが一般的です。手順書に沿ったルーティンワークが中心で「こんなはずじゃなかった」と感じる人もいますが、この期間にサーバーやネットワークの挙動を体で覚えることが、その後のステップアップの土台になります。
資格取得を入社後も継続する
入社がゴールではありません。CCNAやAWS資格の取得を計画的に進め、「構築案件にアサインしてほしい」と上司に意思表示し続けることが、運用監視から抜け出すための具体的な行動です。
社内勉強会やコミュニティに積極的に参加する
技術力を伸ばすだけでなく、社内外のネットワークを広げることも重要です。社内勉強会への参加や、connpassなどの外部イベントに顔を出すことで、最新技術のキャッチアップとキャリアの選択肢が広がります。
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よくある質問(FAQ)
Q. 未経験からインフラエンジニアへの転職に何か月かかりますか?
A. 学習開始から内定まで、目安として3〜4か月です。LPIC/LinuCレベル1の取得に2〜3か月、転職活動に1〜2か月が一般的なスケジュールです。現在無職で学習時間を多く確保できる方は、2か月程度で資格取得→転職活動開始も可能です。
Q. 転職に必要な費用はどのくらいですか?
A. LPIC/LinuCレベル1の受験料は約3万円(2科目合計)、学習教材費(書籍・Ping-t有料プランなど)で5,000〜1万円程度です。合計4万円前後が最低限必要な費用です。転職エージェントの利用は無料なので、エージェント費用はかかりません。
Q. プログラミングができなくても大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。インフラエンジニアの入門段階ではプログラミングスキルは不要です。Linuxコマンド操作やネットワーク設定がメインの業務となります。将来的にシェルスクリプトやPythonで自動化ができると強みになりますが、入社時点では求められません。
Q. フリーターやニートからでも本当に採用されますか?
A. 採用されます。未経験者向けのインフラエンジニア求人では、学歴や職歴よりも「技術への興味」と「学習意欲」が重視されます。LPIC/LinuC資格を取得していれば、フリーターやニートの方でも書類選考を通過できる企業は多数あります。面接では「なぜ学習を始めたか」「何を学んだか」を具体的に伝えましょう。
Q. 転職エージェントは使った方がいいですか?
A. 未経験からのIT転職であれば、転職エージェントの利用を強くおすすめします。求人の紹介だけでなく、書類添削、面接対策、企業の内部情報の提供など、一人では得られないサポートを無料で受けられます。特にIT業界に特化したエージェントは、未経験者が避けるべき企業の判断もサポートしてくれます。
Q. 未経験からの初年度年収はどのくらいですか?
A. 未経験1年目の年収は280〜350万円が相場です。前職の年収や保有資格によって変動しますが、LPIC取得済みであれば300万円以上を提示する企業が多いです。2〜3年目でCCNAを取得し構築案件に入れば、400〜480万円まで上がるのが一般的なモデルです。
Q. 女性でもインフラエンジニアになれますか?
A. もちろんなれます。インフラエンジニアに性別は関係ありません。IT業界全体で女性エンジニアの採用を積極的に進めている企業が増えており、女性向けの研修プログラムやキャリア支援を提供している企業もあります。体力勝負の仕事ではないため、性別による不利はありません。
まとめ:正しい準備と企業選びで、未経験からインフラエンジニアへの転職を実現しよう
未経験からインフラエンジニアへの転職は、資格取得(LPIC/LinuC)と企業選びを正しく行えば、フリーター・既卒・第二新卒からでも3〜4か月で実現できます。
転職成功のポイントは、まずLPIC/LinuCレベル1で「行動の証明」を作ること、求人票を正しく読み解いて研修体制とキャリアパスが整った企業を選ぶこと、そして面接で「インフラエンジニアを選んだ理由」と「学習の具体的な取り組み」を伝えることです。入社後はCCNA→AWS資格とステップアップし、3〜5年で年収500万円台のキャリアを目指しましょう。
「自分に合った企業がわからない」「転職活動の進め方を相談したい」という方は、IT業界に特化した転職エージェント「ビーシャイン」の無料相談をご活用ください。未経験からインフラエンジニアを目指す方の資格取得アドバイスから企業選びまで、一人ひとりに合わせたサポートを行っています。
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