SaaS営業は「自分に合う職種選び」が転職成功のカギ
SaaS業界の営業に転職したいけど、自分に向いている職種がわからない?――結論から言うと、SaaS営業には「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」の3職種があり、未経験から転職を成功させるには自分の前職経験や強みに合った職種を選ぶことが最も重要です。「SaaS営業」とひとくくりにして応募すると、入社後のミスマッチで早期離職につながるリスクがあります。
この記事では、SaaS業界の営業職への転職を目指す20代に向けて、SaaS営業3職種の仕事内容と1日の流れ、前職経験別の適性診断、キャリアパスと年収推移、「きつい」と言われる理由と実態、未経験からの転職活動の進め方まで徹底解説します。
SaaS営業が注目される3つの理由
SaaS営業職が20代の転職先として人気を集めている背景には、業界の成長性と働き方の両面にメリットがあるためです。
理由1:SaaS市場の成長が続き求人が増えている
国内SaaS市場は年間成長率10%以上で拡大を続けており、スタートアップから大手まで営業人材の採用ニーズが旺盛です。市場が伸びている業界で経験を積めるため、キャリアの選択肢が広がりやすいのが大きなメリットです。
理由2:未経験からでも挑戦できる求人が多い
SaaS企業は急成長フェーズにあるため「ポテンシャル採用」を積極的に行っています。特にインサイドセールスは未経験者を受け入れてから自社で育成する体制を整えている企業が多く、フリーターや既卒、第二新卒でも応募できる求人が増えています。
理由3:成果が数値で見えるためスキルが積み上がる
SaaS営業では商談数、受注率、MRR(月次定期収益)、解約率など、すべての成果が数字で管理されます。自分の成長が可視化されるだけでなく、転職時にも「商談化率を◯%改善した」のように定量的な実績としてアピールできるため、市場価値が上がりやすい職種です。
SaaS営業3職種の仕事内容と1日の流れを比較する
SaaS企業の営業組織は「The Model」と呼ばれる分業体制を採用していることが多く、営業プロセスを3つの職種で分担します。それぞれの仕事内容、KPI、1日の流れ、未経験からの難易度を比較しましょう。
| 項目 | インサイドセールス(IS) | フィールドセールス(FS) | カスタマーサクセス(CS) |
|---|---|---|---|
| 主な役割 | 見込み顧客に電話・メールでアプローチし、商談のアポイントを獲得する | 商談で製品デモ・提案を行い、受注(契約)を獲得する | 契約後の顧客に伴走し、活用促進・解約防止・アップセルを行う |
| 主なKPI | 商談化数、アポイント獲得率、架電数 | 受注数、受注率、受注単価、MRR | 解約率(チャーンレート)、NPS、アップセル金額 |
| 1日の流れ(例) | 午前:架電リスト作成→架電30〜50件。午後:メール配信・フォロー架電→商談記録をSFAに入力 | 午前:商談2〜3件(オンライン)→午後:提案資料作成・社内打合せ→見積もり作成・クロージング | 午前:ヘルススコア確認→フォローコール。午後:オンボーディング支援・活用提案→社内連携ミーティング |
| 向いている人 | テンポよく行動できる人、数をこなすことに抵抗がない人、ヒアリング力がある人 | 提案・プレゼンが好きな人、論理的に課題解決を組み立てられる人、粘り強い人 | 相手の立場に立って考えられる人、長期関係を築くのが好きな人、データ分析に興味がある人 |
| 未経験からの難易度 | ★☆☆(最も入りやすい。研修制度が充実している企業が多い) | ★★☆(IS経験を経てステップアップするのが一般的。直接採用もあるが倍率は高い) | ★★☆(接客・サポート経験があれば未経験でも可。コミュニケーション力が重視される) |
| 年収帯(20代) | 300万〜450万円 | 400万〜600万円(インセンティブ含む) | 350万〜500万円 |
未経験からSaaS営業に入る最も一般的なルートは、まずインサイドセールスで基礎を身につけ、1〜2年後にフィールドセールスやカスタマーサクセスにキャリアアップする流れです。ただし前職経験によってはフィールドセールスやカスタマーサクセスに直接転職できるケースもあります。
前職経験別:あなたに合うSaaS営業職種を診断する
SaaS営業は未経験でも転職できますが、前職で培ったスキルをどの職種に活かせるかを理解しておくと、選考通過率が格段に上がります。以下の表で自分に最適な職種を確認しましょう。
| 前職の経験 | 最適なSaaS営業職種 | 活かせるスキル | 面接でのアピールポイント |
|---|---|---|---|
| テレアポ・コールセンター | インサイドセールス | 架電経験、トークスクリプト運用、ヒアリング力 | 「1日◯件の架電をこなした行動量」「顧客の課題を短時間で引き出すヒアリング力」 |
| 接客・販売(アパレル・飲食など) | インサイドセールス or カスタマーサクセス | 対人コミュニケーション力、顧客ニーズの把握、リピーター作り | 「お客様の潜在ニーズを読み取り提案した経験」「リピート率◯%向上に貢献」 |
| 法人営業(業界問わず) | フィールドセールス | 提案力、商談経験、クロージング力、法人折衝 | 「新規開拓で月◯件受注した実績」「提案資料を自分で作成し受注率を改善した経験」 |
| カスタマーサポート・ヘルプデスク | カスタマーサクセス | 問い合わせ対応力、顧客との長期関係構築、問題解決力 | 「顧客満足度◯%達成」「クレーム対応からリピートにつなげた経験」 |
| 事務・データ入力 | インサイドセールス or カスタマーサクセス | 正確なデータ処理、Excel/スプレッドシート操作、数値管理 | 「正確なデータ管理で業務効率化に貢献した経験」「数値を使った報告・分析のスキル」 |
| フリーター・未経験(職歴なし) | インサイドセールス | 行動力、学習意欲、素直さ | 「SaaS業界を独学で勉強した姿勢」「アルバイトで売上目標を意識して行動した経験」 |
自分の経験がどの職種に活かせるかわからない場合は、SaaS業界に詳しい転職エージェントに相談するのがおすすめです。ビーシャインでは、20代の未経験者に特化したキャリアカウンセリングを無料で提供しています。
SaaS営業に必要なスキルと身につけ方
SaaS営業で成果を出すには、従来の営業スキルに加えてSaaS特有のスキルが求められます。転職前に身につけておくと差がつくスキルを解説します。
スキル1:SaaSビジネスモデルの基礎知識
サブスクリプション型の収益モデル、MRR・ARR・チャーンレートなどの指標、The Modelの仕組みを理解しておくことが前提になります。面接でも「SaaSのビジネスモデルをどう理解しているか」は頻出質問です。SaaS関連の書籍や無料のオンライン記事で学習できます。
スキル2:ITツールの操作スキル
SaaS企業ではSalesforce、HubSpotなどのCRM/SFA、Slackなどのチャットツール、Zoomなどのオンライン会議ツールを日常的に使います。これらのツールに触れたことがなくても問題ありませんが、基本的なIT操作に抵抗がないことは必須です。転職前に無料版を試して操作に慣れておくと面接でもアピールできます。
スキル3:ヒアリング力と課題発見力
SaaS営業では「製品を売り込む」のではなく「顧客の課題を発見し、製品で解決する」というソリューション型の営業が求められます。相手の話を聞いて潜在的な課題を引き出す力は、接客や販売の経験でも十分に培えるスキルです。
スキル4:数値で考える力
SaaS営業はすべてのプロセスが数値化されています。「架電100件→アポ10件→商談化5件→受注2件」のようにファネル分析で改善点を見つける習慣が大切です。前職で売上目標やKPIを追った経験があれば、そのまま活かせます。
SaaS営業のキャリアパスと年収推移
SaaS営業は入社後のキャリアパスが明確で、成果次第で短期間に年収を上げることが可能です。未経験から入社した場合の典型的なキャリアステップを見てみましょう。
| キャリアステージ | 年収目安 | 主な役割 | 到達目安 |
|---|---|---|---|
| IS メンバー(未経験入社) | 300万〜400万円 | 架電・メールでのアポイント獲得、SFA入力 | 入社直後〜 |
| IS リーダー or FS メンバー | 400万〜550万円 | チームの数値管理 or 商談・クロージング | 入社1〜2年目 |
| FS リーダー or CS マネージャー | 500万〜700万円 | チームマネジメント、戦略立案、大型案件 | 入社3〜5年目 |
| セールスマネージャー / 事業責任者 | 700万〜1,000万円以上 | 営業組織全体の統括、事業計画策定 | 入社5年目以降 |
SaaS企業では成果がKPIで明確に評価されるため、年齢や社歴に関係なく昇進のチャンスがあります。未経験でインサイドセールスから入社しても、1〜2年で目標を達成し続ければフィールドセールスやリーダーポジションへのステップアップが十分に可能です。
SaaS営業が「きつい」と言われる理由と実態
「SaaS営業 きつい」「SaaS営業 やめとけ」という声を目にして不安を感じている人もいるでしょう。実際にきついと感じるポイントとその実態、対策を整理します。
理由1:架電ノルマが厳しい(IS)
インサイドセールスは1日30〜80件の架電が求められるケースがあります。ただし「闇雲にかける」のではなく、ターゲットリストをもとに戦略的にアプローチするのがSaaS営業の特徴です。量をこなす中で効率的な架電パターンが身につけば、ノルマの達成は安定してきます。
理由2:目標数値のプレッシャーが大きい(FS)
フィールドセールスは受注数やMRR目標を毎月追うため、達成できない月が続くと精神的にきつく感じることがあります。ただしSaaS企業はチームで数字を追う文化が強く、マネージャーが1on1で課題を一緒に分析してくれる企業も多いです。個人で抱え込まない環境かどうかを入社前に確認しましょう。
理由3:覚えることが多い(全職種)
自社プロダクトの機能、業界知識、競合との違い、CRM/SFAの操作など、入社直後は覚えることが多いです。ただしSaaS企業はオンボーディング研修を整備しているところが多く、未経験でも段階的に学べる仕組みがあります。最初の3か月を乗り越えれば業務に慣れるという声が多いです。
理由4:テレアポと変わらないと感じるケースがある(IS)
インサイドセールスが「テレアポと変わらない」と感じる人がいるのは事実です。ただしSaaS企業のインサイドセールスは、顧客のWeb行動データやMA(マーケティングオートメーション)ツールの情報をもとに最適なタイミングでアプローチする点が従来のテレアポとは異なります。データドリブンな営業を経験できることがSaaS営業の大きなメリットです。
未経験からSaaS営業に転職する5つのステップ
SaaS営業への転職を成功させるには、事前準備が結果を大きく左右します。以下の5ステップで進めましょう。
ステップ1:SaaS業界とThe Modelの基礎を学ぶ
まずはSaaSのビジネスモデル、The Modelの仕組み、主要な業界用語(MRR、チャーンレート、LTV、CACなど)を理解しましょう。書籍「THE MODEL」やSaaS企業のオウンドメディアで無料で学べます。面接では「SaaSのビジネスモデルの特徴は?」という質問が高確率で出るため、ここの準備は必須です。
ステップ2:自分に合う職種を決める
前職経験別の適性診断表を参考に、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスのどれを目指すか方向性を決めましょう。迷う場合はインサイドセールスから始めるのが最もリスクが低い選択です。
ステップ3:転職エージェントに登録する
SaaS特化型と未経験者特化型のエージェントを2社以上併用するのがおすすめです。SaaS特化型で業界の最新求人と専門的なアドバイスを得ながら、未経験者特化型で書類添削と面接対策をサポートしてもらうバランスが効果的です。
ステップ4:SaaS企業の求人票を正しく読む
SaaS企業の求人票には「IS」「FS」「CS」「BDR」「SDR」「AE」などの略語が多用されます。BDR(Business Development Representative)はアウトバウンド型のIS、SDR(Sales Development Representative)はインバウンド型のIS、AE(Account Executive)はFSの別名です。求人票の職種名だけでなく、具体的な業務内容とKPIを確認して応募しましょう。
ステップ5:面接でSaaS営業への理解をアピールする
SaaS企業の面接では「なぜSaaS業界なのか」「The Modelを知っているか」「目指す職種を選んだ理由」が聞かれます。前職経験をSaaS営業のスキルに紐づけて説明できるよう準備しましょう。「御社のプロダクトで顧客のどんな課題を解決したいか」まで語れると評価が高くなります。
SaaS営業への転職でよくある失敗パターン
SaaS営業への転職で失敗する人には共通のパターンがあります。事前に把握して同じ失敗を避けましょう。
失敗1:職種を理解せず「SaaS営業」で一括応募する
IS・FS・CSの違いを理解せずに「SaaS営業」で検索して片っ端から応募すると、自分に合わない職種の選考に時間を浪費します。まず3職種の違いを理解してからターゲットを絞りましょう。
失敗2:SaaSの知識ゼロで面接に臨む
「未経験OK」の求人でも、SaaSの基礎知識がまったくない状態で面接に臨むと「本気度が低い」と判断されます。最低限、SaaSのビジネスモデル、The Modelの仕組み、応募先企業のプロダクト概要は調べておきましょう。
失敗3:年収だけで企業を選ぶ
SaaS企業の年収はOTE(目標達成時年収)で表記されることが多く、基本給+インセンティブの合計額です。OTEが高くても基本給が低い場合、目標未達だと年収が大きく下がります。基本給とインセンティブの内訳を必ず確認しましょう。
失敗4:プロダクトの成長フェーズを確認しない
SaaS企業はプロダクトの成長フェーズによって営業の仕事内容が大きく変わります。PMF(プロダクトマーケットフィット)前のスタートアップでは営業プロセスが整備されておらず、未経験者にはハードルが高いです。未経験者はPMF後で営業組織が安定しているフェーズの企業を選ぶのが安全です。
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よくある質問
Q. SaaS営業は未経験でも本当に転職できますか?
A. 転職できます。特にインサイドセールスは未経験者を積極的に採用しているSaaS企業が多く、入社後の研修制度も充実しています。フリーターや既卒、第二新卒でも応募できる求人が増えています。
Q. SaaS営業の平均年収はどのくらいですか?
A. 20代のSaaS営業の年収は職種によって異なりますが、インサイドセールスで300万〜450万円、フィールドセールスで400万〜600万円(インセンティブ含む)、カスタマーサクセスで350万〜500万円が目安です。成果次第でインセンティブが加算されるため、年収の上振れ幅が大きいのが特徴です。
Q. SaaS営業に向いていない人の特徴はありますか?
A. 数値目標を追うことに強いストレスを感じる人、チームでの情報共有が苦手な人、ITツールの操作に強い抵抗がある人はミスマッチになりやすいです。ただし「数字が苦手」でも「目標に向かって努力すること自体は好き」であれば十分に活躍できます。
Q. SaaS営業とIT営業の違いは何ですか?
A. IT営業が受託開発やSIerのプロジェクト型営業を含む広い概念であるのに対し、SaaS営業はサブスクリプション型のプロダクトに特化しています。SaaS営業はThe Modelに基づく分業体制、LTVを重視する顧客との長期関係、データドリブンな営業プロセスが特徴です。
Q. 文系出身でもSaaS営業に転職できますか?
A. 問題なく転職できます。SaaS営業に必要なのはコミュニケーション力と論理的思考力であり、プログラミングやIT技術の知識は必須ではありません。実際にSaaS企業の営業チームには文系出身者が多数在籍しています。
Q. SaaS営業からのキャリアチェンジにはどんな選択肢がありますか?
A. SaaS営業経験者のキャリアチェンジ先として、マーケティング、事業企画、プロダクトマネージャー、営業マネージャー、SaaSコンサルタントなどがあります。顧客の声を直接聞いてきた経験はどの職種でも高く評価されます。
Q. SaaS営業の選考で重視されるポイントは何ですか?
A. 「SaaS業界への理解度」「数値目標を追った経験」「コミュニケーション力」「学習意欲」の4点が重視されます。未経験者の場合は特に「なぜSaaS業界なのか」の志望理由と「入社後にどう成長したいか」のキャリアビジョンを具体的に語れるかが合否を分けます。
まとめ
SaaS営業への転職を成功させるには、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスの3職種の違いを理解し、自分の前職経験や強みに合った職種を選ぶことが最も重要です。
まずはSaaS業界の基礎知識とThe Modelの仕組みを学び、前職経験別の適性診断で自分に合う職種を見極めましょう。その上でSaaS業界に詳しい転職エージェントに相談すれば、未経験からでもSaaS営業でのキャリアを確実にスタートできます。20代で成長産業に飛び込むことで、年収もスキルも加速度的に伸ばしていけます。
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