ニートでも生活保護は受けられる?受給条件4つ・申請の流れ・活用すべき支援制度を徹底解説

「ニートと生活保護を徹底解説」と書かれた黒板の前で解説する女性のイラスト 就活、転職成功のコツ

ニートが生活保護を受けるには4つの条件を満たす必要があり、申請前に使える支援制度も多い

「ニートでも生活保護を受けられるの?」「生活保護の条件は?」「生活保護以外に頼れる制度はないの?」と悩んでいませんか?結論から言うと、ニートであっても生活保護の受給条件(収入が最低生活費未満・資産がない・家族の援助が受けられない・病気やけがで働けない等)を満たせば生活保護を受給できます。ただし、「働ける状態なのに働いていない」だけでは受給が認められにくく、実際には生活保護の前に利用できる就労支援制度や経済支援制度が複数存在します。

この記事では、ニートが生活保護を受給するための4つの条件、受給額の目安、申請から受給までの流れ、一人暮らしと実家暮らしの違い、生活保護受給中の制限と義務、生活保護の前に使える支援制度、生活保護から就職へ向かうステップまでを徹底解説します。

ニートが生活保護を受給するための4つの条件

生活保護は日本国憲法第25条に基づく「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度です。ニートであっても以下の4つの条件をすべて満たせば受給できます。

条件1:世帯収入が最低生活費を下回っている

世帯全体の収入(給与、年金、手当など)が、厚生労働省が定める「最低生活費」を下回っていることが条件です。最低生活費は住んでいる地域(級地区分)や世帯人数によって異なります。ニートで収入がゼロであっても、同居家族の収入が最低生活費を上回っている場合は受給できません。

条件2:すぐに現金化できる資産がない

預貯金、不動産、自動車、生命保険の解約返戻金など、生活費に充てられる資産がないことが条件です。預貯金が最低生活費の半月分以上ある場合は、まずそれを生活費に充てるよう求められます。ただし、通勤に必要な自動車や居住中の持ち家など、保有が認められるケースもあります。

条件3:家族や親族からの経済的援助が受けられない

申請すると、福祉事務所から3親等以内の親族に「扶養照会」が行われます。家族が経済的に援助できる状態であれば、まず家族の援助を受けるよう求められます。ただし、扶養照会は「義務」ではなく「お願い」であり、家族が援助を断れば生活保護の受給は可能です。DV被害や虐待などの事情がある場合は扶養照会を省略できます。

条件4:あらゆる制度を活用してもなお生活できない

年金、失業給付、児童手当、障害年金など、利用できる公的制度をすべて活用したうえで、それでも最低生活費に満たない場合に生活保護が適用されます。「働ける健康状態なのに働いていない」場合は、まず就労支援制度の利用を促されることがあります。

条件内容ニートが注意すべき点
収入が最低生活費未満世帯全体の収入で判定同居家族の収入も含まれる
資産がない預貯金・不動産・車等少額でも預貯金があると先に使い切る必要
家族の援助不可扶養照会で確認親と同居の場合はほぼ対象外
他の制度を活用済み年金・手当等を優先利用就労支援制度の利用を先に求められる場合あり

ニートが生活保護を受給した場合の金額の目安

生活保護の受給額は「最低生活費 − 世帯収入」で計算されます。地域や世帯構成によって異なりますが、代表的なケースの目安を確認しましょう。

受給額を決める「最低生活費」の内訳

最低生活費は複数の扶助(生活扶助・住宅扶助・医療扶助など)の合計で構成されます。生活扶助は食費・光熱費などの日常生活費、住宅扶助は家賃の上限額(地域ごとに設定)、医療扶助は医療費の全額が現物給付されます。

一人暮らしニートの受給額の目安

20代の単身世帯が東京23区(1級地-1)に住む場合、生活扶助が月額約7.6万円、住宅扶助の上限が約5.4万円で、合計すると月額約13万円前後が目安です。地方(3級地)では生活扶助・住宅扶助ともに金額が下がり、月額約9〜10万円程度になります。

項目東京23区(1級地-1)地方(3級地)
生活扶助(20代単身)約7.6万円/月約6.4万円/月
住宅扶助(上限)約5.4万円/月約3.0〜3.5万円/月
合計(目安)約13.0万円/月約9.4〜9.9万円/月

生活保護で免除・減免されるもの

生活保護を受給すると、医療費(医療扶助として全額支給)、国民健康保険料、国民年金保険料、住民税、NHK受信料が免除または減免されます。これらの免除を含めると、実質的な生活水準は受給額の数字以上になります。

一人暮らしのニートと実家暮らしのニートで受給の難易度が大きく異なる

生活保護の受給しやすさは、一人暮らしか実家暮らしかで大きく変わります。

一人暮らしのニート:受給の可能性が高い

一人暮らしで収入がゼロ、預貯金もほぼない状態であれば、生活保護の条件を満たしやすくなります。世帯は本人のみのため、同居家族の収入に左右されません。ただし、家賃を払えている状態で申請すると「生活が破綻していない」と判断される場合があるため、実際に生活が困窮している状況を具体的に説明する必要があります。

実家暮らしのニート:受給の難易度が非常に高い

実家暮らしの場合、世帯全体の収入で判定されるため、家族に一定の収入があれば生活保護の条件を満たしません。親が年金を受給している場合でも、年金額が最低生活費を上回っていれば受給できません。実家暮らしのニートが生活保護を受給するためには、世帯分離(住民票上で世帯を分ける)を行い、かつ自分だけでは生活できないことを証明する必要がありますが、同居状態での世帯分離は認められないケースが多いです。

「まず実家を出る」は現実的か

「生活保護を受けるために実家を出る」という方法がネット上で語られることがありますが、引っ越し費用や初期費用を用意できない状態で実家を出ることは現実的に困難です。生活が困窮している場合は、まず市区町村の生活困窮者自立支援窓口に相談し、住居確保給付金や一時的な住居支援を利用するルートを検討しましょう。

生活保護の申請から受給開始までの流れ

生活保護の申請手続きは複雑に感じますが、大きく分けて4つのステップで進みます。

ステップ1:福祉事務所で事前相談を行う

住んでいる地域の福祉事務所(市区町村の生活保護担当窓口)に行き、事前相談を受けます。現在の生活状況、収入、資産、家族の状況を説明し、生活保護の対象になるかどうかの見通しを確認します。この段階で「まだ働けるでしょう」と申請をさせてもらえない場合がありますが、申請は権利であり、窓口で申請を拒否することはできません。

ステップ2:申請書類を提出する

申請意思を伝えると、生活保護申請書が交付されます。申請書のほか、収入申告書、資産申告書、同意書(調査への同意)などを記入して提出します。特別な書類を事前に用意する必要はなく、身分証明書(なくても申請可能)と印鑑があれば足ります。

ステップ3:ケースワーカーによる調査を受ける

申請後、担当のケースワーカーが自宅訪問を行い、生活状況を確認します。預貯金の残高、家賃の支払い状況、生活必需品の有無などがチェックされます。同時に、扶養照会として家族・親族に援助の可否を確認する文書が送られます。

ステップ4:審査結果の通知(原則14日以内)

申請から原則14日以内(最長30日)で審査結果が通知されます。認定されれば申請日に遡って生活保護費が支給されます。不認定の場合は理由が書面で通知され、不服がある場合は都道府県知事に対して審査請求を行うことができます。

ステップ内容所要期間
1. 事前相談福祉事務所で状況を説明即日
2. 申請書提出申請書・収入資産申告書を提出即日
3. 調査自宅訪問・扶養照会・資産調査1〜2週間
4. 結果通知認定または不認定の書面通知申請から14〜30日

生活保護受給中にニートが知っておくべき制限と義務

生活保護を受給すると生活が安定しますが、同時にいくつかの制限と義務が課されます。

就労指導を受ける義務

働ける状態にあると判断された場合、ケースワーカーから就労指導を受けます。ハローワークへの求職登録、就職活動の報告、職業訓練の受講などを求められることがあります。正当な理由なく就労指導に従わない場合、生活保護費の減額や停止の可能性があります。

収入の申告義務

アルバイトや日雇いなどで収入を得た場合は、金額にかかわらず毎月ケースワーカーに申告する義務があります。申告を怠ると不正受給とみなされ、受給額の返還や受給資格の停止につながります。なお、勤労収入の一部は「勤労控除」として手元に残せるため、働くと必ず収入が減るわけではありません。

資産の保有制限

受給中は一定額以上の預貯金を持つことが制限されます。自動車の保有も原則として認められません(通勤や通院に必要な場合を除く)。生命保険の加入も解約返戻金の有無によって制限される場合があります。

ケースワーカーの定期訪問

担当のケースワーカーが定期的に自宅を訪問し、生活状況を確認します。訪問頻度は月1回〜数か月に1回で、生活の変化や就職活動の進捗について報告を求められます。

生活保護の前にニートが利用できる6つの支援制度

生活保護は「最後のセーフティネット」であり、その前に利用できる制度が複数あります。生活保護の申請を検討する前に、以下の制度を確認しましょう。

制度1:生活困窮者自立支援制度(自立相談支援)

市区町村の窓口で、経済的な困窮状態にある方が無料で相談できる制度です。就労準備支援、家計改善支援、住居確保給付金など、生活を立て直すための総合的な支援を受けられます。生活保護に至る前の段階で利用することが想定されており、ニートの方も対象です。

制度2:住居確保給付金

離職や廃業、やむを得ない休業等で収入が減少し、住居を失うおそれがある方に家賃相当額を支給する制度です。原則3か月間(最長9か月間)支給されます。生活保護の住宅扶助と異なり、就職活動を前提とした給付であるため、働く意思がある方に適しています。

制度3:サポステ(地域若者サポートステーション)

15歳〜49歳の働くことに悩みを抱える方を対象とした就労準備支援機関です。個別相談、コミュニケーション講座、職場体験などを無料で利用できます。「すぐに就職する自信がない」というニートの方が、まず社会参加の練習から始めるのに適しています。

制度4:ニート・フリーター専門の就職エージェント

既卒・フリーター・ニート向けに特化した就職エージェントでは、求人紹介、書類添削、面接対策、入社後フォローまで無料でサポートを受けられます。「働ける状態だが仕事が見つからない」という方は、生活保護を検討する前にエージェントを利用して就職を目指しましょう。

制度5:公的職業訓練(ハロートレーニング)

IT、事務、介護、建設など実務スキルを無料で学べる公的制度です。雇用保険を受給していない方は「求職者支援訓練」を利用でき、要件を満たせば月額10万円の職業訓練受講給付金を受給しながら受講できます。

制度6:社会福祉協議会の緊急小口資金・総合支援資金

一時的な資金が必要な場合に、社会福祉協議会から低利子または無利子で貸付を受けられる制度です。緊急小口資金は最大10万円、総合支援資金は単身で月額最大15万円を最長3か月間借りられます。返済義務があるため恒久的な解決にはなりませんが、一時的な生活費の確保に有効です。

制度内容ニートが使うメリット
生活困窮者自立支援総合相談・就労準備・住居支援生活保護に至る前の包括的支援
住居確保給付金家賃相当額の給付住居を失うリスクを回避
サポステ就労準備支援(無料)社会参加の第一歩から始められる
就職エージェント求人紹介〜入社後フォローニート特化のサポートが無料
職業訓練スキル習得+給付金スキルなしでも就職できる
緊急小口資金最大10万円の貸付一時的な生活費の確保

生活保護から就職へ向かうための具体的なステップ

生活保護を受給中の方が就職を目指す場合、以下のステップで進めると無理なく社会復帰を実現できます。

ステップ1:ケースワーカーに就職の意思を伝える

就職を考え始めたら、担当のケースワーカーに「就職活動を始めたい」と伝えましょう。ケースワーカーはハローワークや就労支援機関との連携を手配してくれます。就労意欲を示すことで、生活保護の受給継続にもプラスに働きます。

ステップ2:サポステやハローワークで就労準備を進める

いきなり就職活動を始めるのが難しい場合は、サポステでのコミュニケーション講座やグループワークに参加して社会スキルを回復させましょう。就活の準備が整ったら、ハローワークに求職登録して求人を探し始めます。

ステップ3:勤労控除を活用してアルバイトから始める

生活保護受給中でも、勤労収入の一部は「勤労控除」として手元に残せます。いきなり正社員を目指すのが不安な場合は、まず短時間のアルバイトから始めて「働く感覚」を取り戻しましょう。収入が増えても即座に生活保護が打ち切られるわけではなく、段階的に自立に移行できます。

ステップ4:就職エージェントを活用して正社員就職を目指す

アルバイトで働く感覚を取り戻したら、ニート・フリーター専門の就職エージェントを利用して正社員就職を目指しましょう。生活保護受給中であることを理由にサービスを断られることはありません。

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よくある質問

ニートが生活保護を申請すると「働け」と門前払いされますか?

窓口で「まだ若いから働けるでしょう」と言われることはありますが、生活保護の申請は国民の権利であり、窓口が申請を拒否することはできません。申請の意思を明確に伝えても受け付けてもらえない場合は、「申請書をください」と伝える、NPO法人などの支援者に同行してもらう、法テラスに相談するといった方法があります。

親と同居しているニートでも生活保護を受けられますか?

親と同居している場合、世帯全体の収入で判定されるため、親に一定の収入があれば生活保護の受給は困難です。親が無年金・無収入で世帯全体の収入が最低生活費を下回る場合は、世帯単位で生活保護を受けられる可能性があります。

生活保護を受けながらアルバイトをしてもいいですか?

アルバイトは可能です。勤労収入を得た場合は必ずケースワーカーに申告する義務がありますが、「勤労控除」が適用されるため、働いた分がすべて差し引かれるわけではありません。収入が増えると生活保護費は減額されますが、手元に残る金額は増えるため、働くことに経済的メリットがあります。

生活保護の申請に必要な書類は何ですか?

基本的には福祉事務所で交付される申請書、収入申告書、資産申告書、調査への同意書を記入して提出します。身分証明書があれば望ましいですが、なくても申請は可能です。銀行の通帳や給与明細などがあれば調査がスムーズに進みますが、手元にない場合は福祉事務所が直接調査します。

生活保護を受けると家族にバレますか?

申請すると原則として3親等以内の親族に「扶養照会」の文書が送付されるため、家族に知られる可能性が高いです。ただし、DV被害や虐待の関係にある家族、長期間音信不通の家族、経済的に明らかに援助不可能な家族については、扶養照会を省略できます。事前にケースワーカーに事情を説明しておきましょう。

生活保護を一度受けると一生抜け出せなくなりますか?

そのようなことはありません。生活保護は生活が安定するまでの一時的な支援であり、就職して収入が最低生活費を上回れば保護は廃止されます。勤労控除の仕組みがあるため、段階的に収入を増やしながら自立に移行できます。生活保護の受給歴が就職活動に影響することもありません。

まとめ

ニートでも生活保護の受給条件(世帯収入が最低生活費未満・資産なし・家族の援助不可・他の制度を活用済み)を満たせば生活保護を受給できますが、「働ける状態で働いていない」だけでは受給が認められにくいのが現実です。特に実家暮らしの場合は世帯全体の収入で判定されるため、受給の難易度は高くなります。

生活保護を検討する前に、生活困窮者自立支援制度、住居確保給付金、サポステ、就職エージェント、職業訓練、緊急小口資金など、生活保護以外の支援制度を確認しましょう。これらの制度を活用することで、生活保護に頼らずに生活を立て直せる可能性があります。

すでに生活保護を受給している方は、勤労控除を活用したアルバイトから始め、サポステやハローワーク、就職エージェントを利用して段階的に就職を目指しましょう。生活保護は「終着点」ではなく、生活を立て直すための「通過点」として活用することが大切です。

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